平成24年の年越し

2013年1月3日



去年の年越しと同様、家族と子供たちの友人と、スタッフ凡が自宅に来て
年越しをしました。

今回は鍋です。

ワタクシの鍋奉行っぷりを堪能してもらいました(笑)

(去年は握り寿司でした)←去年の記事へ


私は、鍋は具を一度にいろいろ入れ込んで一緒に煮てしまうのが好きでは
ありません。
それなら、台所で具沢山の煮物をつくって器に盛ればいいからです。

そうではなく私は個人的には「鍋とは具材の一番良い煮え具合を
楽しむ料理である」と考えているのです。

「味付けされた、完成された料理とは違う、一歩手前の面白さを楽しむ、
しかしそれゆえに素材の臨場感の明瞭さが嬉しい料理」

というわけです。

鍋に使う出汁はその時でいろいろですが、今回はとても濃い昆布出汁を取り
塩だけで薄く味をつけたもので、そこに食材から出た味が重なって行くのを
楽しむ趣向です。

ポン酢は、濃いかつを出汁、薄口しょうゆ、酢、砂糖、スダチ、辛み大根
ショウガなどでつくったものです。



こんな感じで調理して、食材を調理して行きます。
怖い顔しているところ撮られてしまいました。。笑
(今回の写真は妻が撮影)

ウチの鍋では、出汁の味が何であろうと、一つの具材を調理した後は
出汁から具材は全て引き上げて灰汁や汚れをキレイに取り、新しい具材を
入れてまた調理します。それを繰り返します。

(しっかり煮たいもの、あるいは特定の具材の味を染み込ませたい時は
特定の具材だけ引き上げてさらに煮たい具材を残したりもします)

具材は、必要によって下処理をしておきます。
具材によっては、生のまま材料を鍋で煮ると、出汁は汚れるし味が混沌として
しまい、明快さが無くなります。
いろいろな具材を同じ出汁で煮るので、おいしい味の重なりは欲しくても
雑味が重なるのは避けたいわけです。

鍋に使う出汁には魚や肉の具材の味がたっぷりと出るので、それを野菜に
吸わせたり、逆に野菜から出た出汁で魚や肉の具材を煮るとおいしく
なります。その関係を「鍋」で操っていくわけです。

また、魚や肉や野菜の火の入り加減を変えて行きます。
具材の最もふさわしい煮え具合や、同じ具材でも加熱の加減による味わいの
変化、食感、香りを楽しんでいただくのが鍋料理の本質だと考えています。



最初は、湯豆腐です。
とても濃い昆布出汁に僅かに塩味をつけた出汁で、豆腐が、ふるふる
ムッチリするまで温めます。

こちらは、土佐醤油とネギでいただきます。



湯豆腐を全て引き上げ、丁寧に鍋のなかの出汁をさらってキレイにした後、
霜降りにして丁寧に掃除しておいた銀ダラと赤ネギ、蕪を一緒に煮ます。
グラグラ煮ません。出汁がくつくつする程度の火加減です。

まずは銀ダラだけを引き上げ、自家製おろしポン酢で。



さらに霜降りにして丁寧に掃除しておいた鰤を、銀ダラと一緒に煮ていた
赤ネギ、蕪と煮ます。

鰤が煮える頃に丁度、銀ダラと鰤の出汁をたっぷりと吸った赤ネギと蕪が
トロトロに煮えて甘くなっているので一緒にいただきます。



一度具材を全て引き上げて出汁をキレイにさらった後に、魚の味がたっぷりと
出ている出汁に椎茸と白菜の白い部分を入れて煮ます。
そこに、エビを潰したものを下茹でした団子を入れて煮ます。

エビ団子のみ引き上げていただきます。



さらに、鶏ひき肉にホタテの貝柱のぶつ切りを混ぜた団子を下茹でしたもの
を入れて煮ます。

この時に、エビ団子と鶏団子を濃い昆布出汁で下茹でしたときの出汁を漉して
おいたものも加えます。

白菜の白い部分と分厚い椎茸はおいしい出汁をたっぷりと吸ってトロトロです。

鶏団子は、大きめにブツ切りにしたホタテによって高級感ある味です(笑)



出汁をキレイにさらった後、エビ団子を油で揚げたものを温めます。
こちらは煮てしまうとカスカスになってしまうので、温める程度です。

煮たエビ団子とこの揚げたエビ団子は同じものですが、煮たものと揚げたもの
との味の違いを楽しんでいただきます。



白菜の葉の部分をサッと出汁で煮て、シャキシャキした食感でいただきます。
揚げたエビ団子から出たコクのある出汁と油で白菜の葉は暖かいサラダの
ような感じになります。

鍋の料理はこちらでおしまいです。



いろいろな具材の味がたっぷり出ている出汁で、雑炊です。
私はこのような澄んだ出汁の鍋では雑炊に卵を入れるのが好きでは
ないので、入れません。
卵を入れると、ふわっとしたおいしい味になりますが、出汁に出ている
いろいろな具材の繊細な風味が抑えられてしまうので、入れたく
ないのです。

もちろん、出汁や具材によって卵を入れることもありますし、濃い出汁の
場合は卵とじのようにして丼物のように白ご飯にかけていただいたりも
します。

今回は味を調節してから芹を大量に入れました。

このような澄んだ出汁でやるタイプの鍋は最後まで極力出汁を濁らせない
ように調理すると、雑炊もおいしくいただけます。
写真の通り、いろいろな具材を煮ていたのに出汁は汚れていません。



芹にサッと火が入ったらいただきます。

全ての味が入ったおいしい出汁を吸った米粒と、芹の爽やかな香りが
うれしい味です。



デザートはいただきものの、サツマイモのお菓子。
フレンチローストのコーヒー。



今回のメインのお酒は「菊姫の山廃吟醸」でした。



平成25年になる頃に、軽く年越しソバ。

辛み大根、本ワサビで、せいろです。

そんなこんなで、平成24年の年末も料理でした。。。笑

平成25年もどうぞよろしくお願いいたします。m(_ _)m


フォリア 仁平幸春






“平成24年の年越し” - 4件のコメントがあります

  1. いととて Says:

    あけましておめでとうございます。
    仁平さんにかかると家庭料理も芸術ですね。
    ため息が出てしまいます。

    よりよい1年でありますように。


  2. foglia Says:

    いととてさま

    明けましておめでとうございます。
    今年もどうぞよろしくお願いいたします。(^_^)


  3. Tomoko Says:

    もう見ているだけで涎・・・の写真ですね。
    我が家も土楽さんの土鍋で、この年越しは鴨いきました。なんでもない湯豆腐であっさりした年越しも好きです。
    染めに食にますますのご活躍を!
    本年もよろしくお願い申します。


  4. foglia Says:

    Tomokoさん明けましておめでとうございます。m(_ _)m

    鴨、いいですなー来年は鴨鍋も候補に只今入りました。笑

    今年もどうぞよろしくお願いいたします。


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